橋本英夫の知的好奇心

 

着だおれ京都から発信

 
   

 もの知り博士は言う。
 京都人は昔から、上質の白い反物を買って染め直しながら、最後には濃い色のキモノにしてトコトン着たおす。それが着だおれ京都の語源だとか。
 モノの命を大事にする「もったいない精神」。
 1000年以上続いている都人の粋な生き方、それが京のキモノ『衣文化』。
 そういう京の都人の「粋」を世界に広めたい。
 私の願いです。

 衣服の「作り手」は、シルク・ウール・カシミアなどの動物繊維、コットン・麻の植物繊維で作るが、元を正すと繊維には命があり生き物の命を衣服にしていると言う。
 つまり衣服に、もう一度魂を吹きこんで、新たな命を蘇らせることだと―――。
 そして「着こなし手」は、魂が吹き込まれた衣服をお洒落に着こなす。着こなし手は、買ったときの新品の風合いやシルエットを長く保ちたいと願うが、着ているあいだに風合いやシルエットが崩れるのでクリーニングに出す。
 ところがクリーニングから戻ってきた衣服は、クリーニングに出す前より風合いやシルエットがもっと崩れている。クリーニング業者は、モノの命を大切にしない。

 こんなバカなことを繰り返していたら、人が人でなくなって悲劇が起こるという悲壮感に苛まれる。このことがキッカケになって、「作り手」と「着こなし手」の想いや願いをカタチにしようと思い立ち30年の歳月をかけてクリーニングをイノベートしてきた。
 それが「ケア・メンテサービス®」というイノベーションサービスモデルの確立だ。

 30年の歳月を素直に謙虚に辛抱して愚直に続ける。
 生きとし生きる限りある命に感謝し、積小為大を大切にし人を育てる。
 そういう企業でありたいと願っている。

 つぎは、サービスという業「文明と文化=モノからコトへ」をテーマにします。